…近世に饂飩といったのは中国の切麵(せつめん)で,日本の切麦(きりむぎ)にあたる。切麦はうどんより細く切るのが特徴で,熱くしたものを熱麦(あつむぎ),冷やしたものを冷や麦といい,そうめんと同じく点心のほか饗膳(きようぜん)の後段(ごだん)にも供された。語源の推移から餛飩を饂飩の元祖だとする説が根強いが,手法と形からみて,むしろ餺飥(はくたく)(音便ほうとう)がうどんの祖型である。…
…機械打ちの乾めんが市販されている。室町時代から行われていた切麦(きりむぎ)は,季節により冷温に分けて調理し,冷めんに〈冷麦(ひやむぎ)〉,温めんに〈熱麦(あつむぎ)〉のほか〈湯麦(ゆむぎ)〉〈蒸麦(むしむぎ)〉,その中間に〈温麦(ぬるむぎ)〉があった。しかし,熱麦などの温めんは廃れ,冷や麦だけが現在まで続いている。…
… 日本では室町時代になって,うどん,そうめん,切麦(きりむぎ)の名が現れる。切麦はうどんの細いもので,冷やして食べるのを冷麦(ひやむぎ),熱くして食べるのを熱麦(あつむぎ)といった。〈蒸麵(むしむぎ)〉という名もあり,これは蒸したうどんとされている。…
※「熱麦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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