爵位〔ヨーロッパ〕

山川 世界史小辞典 改訂新版 「爵位〔ヨーロッパ〕」の解説

爵位〔ヨーロッパ〕(しゃくい)

中世および近代における貴族の称号フランク王国では上級貴族にヘルツォーク=公,プファルツグラーフ=宮中伯,マルクグラーフ辺境伯,グラーフ=,下級貴族にフライヘル=男(だん)があった。これがほぼドイツ=神聖ローマ帝国に継承され,近代を通じて存続したが,第一次世界大戦後廃止された。フランスにはデュク=公,コント=伯,ヴィコント=子(し),バロン=男,シャトラン=城主,ヴァヴァスール=陪臣(ばいしん),シュヴァリエ=騎士などの称号があり,これらはフランス革命中廃止されたが,1814年復活した。しかし特権は回復されなかった。イギリスにはデューク=公,マーキス=侯,アール=伯,ヴァイカウント=子,バロン=男などの上級貴族のほか,下級貴族としてバロネット=従男爵,ナイト=騎士,エスクァイア=郷士などがあってサーの称号を帯びたが,しだいに名目だけのものとなって現在に至っている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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