片設く(読み)カタマク

デジタル大辞泉 「片設く」の意味・読み・例文・類語

かた‐ま・く【片設く】

[動カ下二]
ある季節や時をひたすら待つ。また、時が移ってその時期になる。近づく。
「鶯鳴くも春―・けて」〈・八三八〉
ひたすら心を向ける。傾注する。
夏麻引なつそびく命―・け刈りこもの心もしのに」〈・三二五五〉

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精選版 日本国語大辞典 「片設く」の意味・読み・例文・類語

かた‐ま・く【片設】

  1. 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 季節や時が来るのが待たれる。心から待ち受ける気持になる。また、時が移ってある時期になる。ある時節が近づく。
    1. [初出の実例]「梅の花散り乱(まが)ひたる岡傍(おかび)には鶯鳴くも春加多麻気(カタマケ)て」(出典万葉集(8C後)五・八三八)
  3. ある事にいちずに心を寄せる。傾注する。
    1. [初出の実例]「夏麻引く 命方貯(かたまけ) 刈薦(かりこも)の 心もしのに 人知れず もとなそ恋ふる 気(いき)の緒にして」(出典:万葉集(8C後)一三・三二五五)

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