牛尾郷(読み)うしのおごう

日本歴史地名大系 「牛尾郷」の解説

牛尾郷
うしのおごう

中世は千田ちだ庄に属したとみられ、在地領主として千葉氏一族の牛尾氏が知られる。神代本千葉系図は常朝系原氏の一流に牛尾氏を載せ、原親胤の子息に牛尾五郎泰親をあげている。一方、臼井常康の系にも牛尾氏を載せ、同胤員の子息に太郎・牛尾と脚注している。同氏が拠ったとされる牛尾砦跡は字しろだいの要害地にあって、土塁・空堀などの遺構が残る。正和三年(一三一四)四月二一日の日高譲状(中山法華経寺文書)に「牛尾郷内権守四郎名」とみえ、当郷内の権守四郎名が大輔房日祐に譲与されている。応永一七年(一四一〇)の香取造営料足納帳(静嘉堂文庫)には「原殿分 牛尾 田数三町五反」「円城寺源内左衛門殿分 牛尾 田数四反」「三谷孫六殿分 牛尾 田数三反半」などがみえ、当地の分銭(反当り二五文)が香取社の造営料に充てられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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