大寺郷(読み)おおでらごう

日本歴史地名大系 「大寺郷」の解説

大寺郷
おおでらごう

山田やまだ府馬の修徳ふまのしゆうとく院が所蔵する正応三年(一二九〇)三月一五日の銅造阿弥陀如来立像の銘文に「瑳北条大寺郷」とみえる。応永二五年(一四一八)一一月二八日の千葉兼胤寄進状(竜尾寺文書)によると、下総守護千葉兼胤が郷内の聖禅しようぜん(現廃寺)に対して河戸弾正忠胤久の申請に任せ、当郷内の屋敷・田畠を寄進することを告げている。同二八年六月二五日には鎌倉鶴岡八幡宮の供僧弘俊が聖禅寺の別当職に補任されている(「千葉兼胤補任状」相承院文書)。また長福ちようふく寺の大過去帳の元亀二年(一五七一)五月条に「日笠禅定門 当寺檀越牛尾右近大夫胤直 (大寺)村城主胤仲公御父 祭権現也」、慶長一七年(一六一二)三月条には「正院殿高信日仲大居士 当寺檀越当村城主 牛尾能登守胤仲朝臣」とあり、千葉氏系の牛尾氏が大寺城主であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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