牛洞郷(読み)うしぼらごう

日本歴史地名大系 「牛洞郷」の解説

牛洞郷
うしぼらごう

現大野町牛洞一帯に比定される。山城醍醐寺三宝さんぼう院領。明徳元年(一三九〇)五月六日の足利義満御教書(瑞巌寺文書)に「瑞巌寺領美濃国本郷牛洞内壱所」とあり、同寺の大中善益に安堵されている。年未詳六月一七日の醍醐寺三宝院僧正満済宛の足利義持御教書(醍醐寺文書)によれば、濃州八条はちじよう郷は牛洞と号し、城田寺きだいじ(現岐阜市)の替地としてもとのごとく半済を止めたうえ、三宝院門跡に与えられている。以後三宝院領として伝領され、正長二年(一四二九)七月二九日の醍醐寺方管領諸門跡等所領目録案および文安六年(一四四九)四月一一日の三宝院門跡管領寺社諸職所領目録(同文書)などには、同院領として牛洞郷の名が記される。宝徳元年(一四四九)九月一一日には、当郷に宛てて軍勢甲乙人等の乱入狼藉を禁止した室町幕府奉行人による禁制(案、同文書)が出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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