当郷(読み)とうごう

日本歴史地名大系 「当郷」の解説

当郷
とうごう

[現在地名]青木村大字当郷

浦野うらの川の支流阿鳥あとり川の流域にある集落。下流から北方上流へ日向ひなた大庭おおにわ押立おしたて寺村てらむら竹の花たけのはな管社かじやなどの小字に分れる。小字日向の南端は延喜の官道が通過した所で、ここに所在する大法たいほう寺は、国宝三重塔・重文十一面観音・普賢菩薩などの文化財で知られる。この辺りには古代「和名抄」所載の跡部あとべ郷の本郷があったと比定されており、阿鳥川の名は、その郷名に由来するものとされる。

中世、この地域一帯は浦野庄塩原しおばら郷と称されていたことは、天正六年(一五七八)の上諏訪造宮帳に近隣の奈良本ならもと郷・殿戸とのど郷と並んで「塩原郷 三貫七百四十文 代官 宮内介」とあり、更にその横に「塩原大法寺」と記されていることによって明らかである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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