物果無し(読み)モノハカナシ

デジタル大辞泉 「物果無し」の意味・読み・例文・類語

もの‐はかな・し【物果無し】

[形ク]どことなく頼りない。
「忘れねどなにぞもしるし夢の中に―・くてやみにし物を」〈古今六帖・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物果無し」の意味・読み・例文・類語

もの‐はかな・し【物果無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「もの」は接頭語 )
  2. 何となくはかない。どことなく頼りない感じである。考え方が何となく浅い。
    1. [初出の実例]「やむごとなく思ひきこえしかひなく、ものはかなくいふかひなけれ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  3. 内容が空虚で頼りにならない。どことなくとりとめがない。
    1. [初出の実例]「いとものはかなき空言を、〈略〉言へるなりけり」(出典:平中物語(965頃)三五)
  4. ささやかで、大したこともない。
    1. [初出の実例]「見いれの、程なく、ものはかなきすまひを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

物果無しの派生語

ものはかな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

物果無しの派生語

ものはかな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android