空言(読み)クウゲン

デジタル大辞泉 「空言」の意味・読み・例文・類語

くう‐げん【空言】

根拠のないうわさ。そらごと。「空言に惑わされる」
実行の伴わない言葉
「―虚説の実際に施し難き事情を」〈織田訳・花柳春話
[類語]流言飛語流説風説取り沙汰風聞風評風声ふうせい風の便り評判世評下馬評巷説こうせつ浮説飛語流言虚説俗言前評判デマゴシップ口承噂話作り話虚聞虚伝都市伝説

むな‐ごと【空言/虚言】

《古くは「むなこと」》ほんとうでない言葉。うそ。そらごと。
浅茅原あさぢはら小野にしめ結ひ―をいかなりと言ひて君をし待たむ」〈・二四六六〉

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精選版 日本国語大辞典 「空言」の意味・読み・例文・類語

くう‐げん【空言】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 根拠のないうわさ。事実でないことを言うこと。また、そのことば。虚言。そらごと。
    1. [初出の実例]「雑言空言、傍若無人の事のみ耳にみち候」(出典:宗長手記(1522‐27)下)
    2. [その他の文献]〔史記‐貨殖伝賛〕
  3. 口で言うだけで実行のともなわないこと。実施できそうもない言論
    1. [初出の実例]「空言を以て教ふるは、実行を以て教ふるに若かず」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一二)
    2. [その他の文献]〔史記‐太史公自序〕

そら‐ごと【空言・虚言・空事】

  1. 〘 名詞 〙 事実でない事柄、またはことば。本心でないことば。うそ。また、意味のない、空しいこと。また、根拠のないうわさ。そらことば。むなごと。そらっこと。
    1. [初出の実例]「かくあさましき空ことにてありければ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「余人と同心の言葉は、夢にもそらごとにもこれなき事なり」(出典:仮名草子・心友記(1643)下)

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普及版 字通 「空言」の読み・字形・画数・意味

【空言】くうげん

実行力のない議論。〔史記太史公自序子曰く、我之れを言に載せんと欲するも、之れを行事(かうじ)に見(しめ)すことの、深切名なるに如(し)かざるなり。

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