三五(読み)さんご

精選版 日本国語大辞典 「三五」の意味・読み・例文・類語

さん‐ご【三五】

[1] 〘名〙
[一] (三と五の積から) 一五をいう。
(イ) 一五日間のこと。〔礼記‐礼運〕
(ロ) 十五夜。特に八月の十五夜のこと。三五夜(さんごや)
文華秀麗集(818)下・和内史貞主秋月歌〈嵯峨天皇〉「群陰共盈三五時、四海同朋一月輝」 〔古詩十九首‐其十七〕
(ハ) 一五歳のこと。
※蓮如上人遺徳記(1524)「源空上人も三五の御歳より無常の理を覚知して」 〔鮑照‐中興歌十首・其五〕
(ニ) (揚げ代が一五匁であったところからいう) 囲女郎(かこいじょろう)異称
浄瑠璃・傾城酒呑童子(1718)四「奥州が名を忍ぶ客、三五に義理播磨潟、鹿様よりとほのめかす」
(ホ) 一五をいい出すための語。
※浮世草子・好色盛衰記(1688)三「さんご十五歳の春、客ととき初(ぞめ)のひぢりめんの内衣(ゆぐ)
[二] 三および五の意。
① まばらなこと。ちらばってあること。三三五五。
※おもひ草(1903)〈佐佐木信綱〉「江に臨む楼台三五欄朽ちて歌声さむし刀根川の秋」 〔詩経‐召南・小星〕
② 仏語。唯識で説く、諸法の自性を分別する三性(さんしょう)と、五法(ごほう)のこと。
※続日本紀‐養老五年(721)六月戊戌「備甞難行、解三五術、方帰本郷
③ 二種の塵点劫(じんでんごう)である、三千塵点劫と五百億塵点劫とのこと。ともに法華経に説く。
※日蓮遺文‐佐渡御書(1272)「無数劫をや経んずらん。三五の塵点(じんでん)をやおくらんずらん」
④ (長さが三尺五寸あるところから) 琵琶の異称。
※歌儛品目(1818‐22頃)三「三五、又妙音院殿下の撰み玉ひし琵琶の譜をば、三五要略と題せられしは、風俗通に見へたる琵琶長三尺五寸といふ、本文に取り玉ひしなるべし」
※本朝文粋(1060頃)六・申越前尾張等守状〈大江匡衡〉「三五之化漸彰。二八之臣如旧」 〔楚辞九章・抽思〕

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デジタル大辞泉 「三五」の意味・読み・例文・類語

さん‐ご【三五】

《3と5の積が15となるところから》
㋐15歳。
「名はお駒とて少し跳ねたる―の少女おとめは」〈蘆花不如帰
㋑「三五夜さんごや」に同じ。「三五夕べ
㋒《揚げ代が15匁だったところから》囲ひ女郎の異称。
人や物が、あちこちに少しずつかたまっていること。三々五々。
瓢箪に酔を飾る―の痴漢うつけものが」〈漱石虞美人草
《長さ3尺5寸を標準とするところから》楽琵琶がくびわの異称。
三皇五帝

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三五」の解説

三五

正式社名「株式会社三五」。英文社名「Sango Co., Ltd.」。輸送用機器製造業。昭和3年(1928)前身の「恒川鉄工所」創業。同25年(1950)設立本社は愛知県みよし市福田町宮下。自動車部品メーカー。マフラー・エキゾーストパイプなど排気関連部品が主力棒鋼など鉄鋼製品の製造も手がける。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

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