物深い（読み）ものふかい

精選版 日本国語大辞典

もの‐ふか・い【物深】

1. 〘 形容詞口語形活用 〙
   [ 文語形 ]ものふか・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「ものぶかい」とも )
2. ① 奥まっている。深々としている。奥深い。深い。
   1. [初出の実例]「鳥の声も〈略〉口を籠めながら鳴けばいみじう物ふかくとほきが」(出典：枕草子（１０Ｃ終）七三)
3. ② 思慮が深い。重々しい。また、趣がふかい。おくゆかしい。
   1. [初出の実例]「いとあさましくやはらかにおほどきて、ものふかく重き方はおくれて」(出典：源氏物語（1001‐14頃）夕顔)
4. ③ 縁故・関係などが深い。血縁が強い。
   1. [初出の実例]「ものふかからぬ人も涙留め難し」(出典：栄花物語（1028‐92頃）初花)

物深いの派生語

ものふか‐げ

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

物深いの派生語

ものふか‐さ

1. 〘 名詞 〙

出典　精選版 日本国語大辞典