物馴・物慣(読み)ものなれる

精選版 日本国語大辞典 「物馴・物慣」の意味・読み・例文・類語

もの‐な・れる【物馴・物慣】

〘自ラ下一〙 ものな・る 〘自ラ下二〙
① なれ親しむ。また、なれ親しんで、くだけた態度をとる。
※清慎公集(970頃)「音ぎくに物馴にける衣手は涙と共にふりやしぬらむ」
物事になれる。よくなれて巧みになる。習熟する。熟達する。
太平記(14C後)八「嶋津元より物馴(モノナレ)たる馬上の達者矢継早の手ききなれば」
③ 世事に通じている。世故(せこ)にたけている。
徒然草(1331頃)二三四「かやうの事は、ものなれぬ人のある事なり」

もの‐なれ【物馴・物慣】

〘名〙 (形動) 物事になれていること。世故(せこ)にたけていること。また、その人やそのさま。
源氏(1001‐14頃)葵「心えはてて、立ちぬ。物なれのさまやと、君は思す」

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