精選版 日本国語大辞典 「犬威」の意味・読み・例文・類語
いぬ‐おどし【犬威】
- 〘 名詞 〙
- ① 犬をおどして追い払うための切れない刀。転じて、見せかけだけの、切れない刀。
- [初出の実例]「是はいぬおどしまでにて候へ共」(出典:虎明本狂言・楽阿彌(室町末‐近世初))
- ② 「どうちゅうざし(道中差)」の異称。
- [初出の実例]「犬おどしの脇差を抜いて」(出典:人情本・英対暖語(1838)五)
- ③ 見せかけだけのものをさげすんでいう語。こけおどし。
- [初出の実例]「けいせいのたんすはほんの犬おどし」(出典:雑俳・柳多留‐七(1772))