…しかし,各国の映画界に直接・間接に与えた影響は大きく,オランダの記録映画作家ヨリス・イベンス,ソ連のキノ・プラウダと呼ばれる記録映画の作家ジガ・ベルトフ,イギリスの実験アニメ作家レン・ライ,アメリカのロバート・フローレイ,彼と組んだ名カメラマン,グレッグ・トーランド,といったアバンギャルド映画作家がこの時期に次々と活動を開始した。日本でも衣笠貞之助が,川端康成を中心とした新感覚派のグループのシナリオによって《狂った一頁》(1926)を作り,その手法(フラッシュ・バック,二重露出等々)に飯島正は,ガンスやボルコフの作品との近似を指摘している。
[アバンギャルド映画のその後]
1930年にパトロンとして知られたド・ノアイユ子爵の援助で作られたコクトー《詩人の血》とブニュエル《黄金時代》を最後の頂点として,アバンギャルド映画はトーキーの到来とともに消滅する。…
…本名小亀貞之助。日本映画の草分け監督の一人であり,日本最初のアバンギャルド映画《狂った一頁》(1926)の監督であり,イーストマン・カラーによる日本最初の長編劇映画《地獄門》(1953)で,カンヌ映画祭のグラン・プリ受賞監督でもある。また美男スター・長谷川一夫を育てた監督としても知られる。…
※「狂った一頁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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