猿聟(読み)サルムコ

精選版 日本国語大辞典 「猿聟」の意味・読み・例文・類語

さるむこ【猿聟】

  1. 狂言。能「嵐山」の替間(かえあい)和泉流では本狂言としても演じられる。吉野山の猿が嵐山の舅(しゅうと)の猿のもとに婿入りをし、酒宴で歌い舞う。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の猿聟の言及

【池の精】より

…《グリム童話》181番の題名であるが,これと同系統の昔話が,北欧,中欧,ギリシアなどにも分布している。貧乏な水車小屋の主人の前に水の精が現れ,今生まれたものをくれたら幸せにするという。男は犬か猫の子と思ってそれを約束するが,帰宅してみると息子が生まれている。男の家は裕福になり,息子も狩人になって結婚する。しかし息子は水の精に水中へ引きこまれる。妻は草原の小屋へ行き,老婆から黄金の櫛,笛,糸車をもらい,それによって夫を救出する。…

【蛇婿入り】より

…蛇が男になって人間の娘に求婚するという内容をもつ,異類婚姻譚に属する昔話群の総称。蛇婿入譚は内容から〈苧環(おだまき)型〉〈水乞(みずこい)型〉〈蛙報恩型〉に大別される。〈苧環型〉は,夜中に娘のところに見知らぬ若い男が通ってくるのを怪しんだ親が,男の着物に糸を通した針を刺させ,男が帰ったあとその糸をたどっていったところ蛇のすみかに至り,そこで蛇の親子の会話を立ち聞きして娘に宿った蛇の子を堕(おろ)す方法を知る,というものである。…

【嵐山】より

…やがて蔵王権現(後ジテ)も威容を現し(〈早笛〉),三神実は一体だというその姿を示し,国土の繁栄を祝福する(〈ノリ地〉)。前場・後場の間に演ずる《猿聟(さるむこ)》は,現在では特別の演出としてだけ用いるアイだが,独立の狂言として演じることもある。【横道 万里雄】。…

※「猿聟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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