朝日日本歴史人物事典 「瑠璃御前」の解説
瑠璃御前
鎌倉後期の女性。越後国(新潟県)の地頭領主和田茂連の娘。永仁2(1294)年,父から奥山荘(中条町,黒川村ほか)内の田2万束苅,在家3宇,駒籠之酒町(中条町)を譲られる。はじめは一期分であったが,のちこの譲状は抹消され,改めて父から永代譲与の譲状を得ている。女子分所領が一期分から永代分に書き改められた珍しい例で,ここには女子分所領を他子から守ってやろうとする親の意志が現れている。ただし,この2通の譲状は,相論に際して作られた謀書ないしその写しであるとする見解もある。<参考文献>『奥山庄史料集』
(田端泰子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報