環銭(読み)かんせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「環銭」の意味・わかりやすい解説

環銭
かんせん

中国、戦国時代に、魏(ぎ)、秦(しん)、斉(せい)などの領域で流通した円形青銅貨幣。一般的には円銭の名称でよばれる。戦国末期に秦や魏では、円体で中央に円形の孔のある円体円孔銭が出現し、ついで斉で方形の孔のある円体方孔銭が出現している。秦の円体円孔銭は、両、珠を単位とし、魏の円体円孔銭は釿(きん)を単位とし、斉の円体方孔銭は化(か)を単位としている。秦の始皇帝が中国を統一するとともに円体方孔の半両銭が鋳造され、その後、円体方孔銭が中国や日本の青銅貨幣の基本形となり、日本の和同開珎(わどうかいちん)をはじめとする皇朝十二銭もこの形である。

[飯島武次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「環銭」の解説

環銭(かんせん)

円銭(えんせん)

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