出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…水をいれた別の器の上に甑を重ね,火熱による熱い蒸気で蒸しあげる。中国では新石器時代に稲作地帯(浙江省河姆渡(かぼと)遺跡第3層,馬家浜文化)に出現し,竜山文化には,甑と下の器(鬲(れき))とをひとつの土器として作った甗(げん)も出現した。朝鮮半島での初現は,おそらく3~4世紀。…
…鼎に似るが3本の足が太く中空になったなべ(鬲(れき))はこの時期には土器のものが主流で,青銅製のものはほとんど作られない。鬲の上にこしきを作りつけた形の蒸し器(甗(げん))がこの時期の後半に作られ出す。飯類を入れる,口の少しすぼまったはち(簋(き)),同様な用途の深い鉢形の容器(盂(う))も多くはないが青銅製のものが作られ出す。…
…殷代から西周時代にかけて盛んにつくられ,殷代には錐形の脚の先端部が実脚になったものもあり,空足部が短くなっている。鬲と甑とが一体となった甗(げん)という器も出現している。青銅製の鬲は殷時代中期ごろから現れ,器腹は深く,脚の先端がとがり,口縁に両耳があるものと,脚が円柱状ないしは獣蹄足の鼎に近いものとがある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」