蒸し器(読み)むしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蒸し器」の意味・わかりやすい解説

蒸し器
むしき

水蒸気がもっている気化熱の放出を利用して、食品を加熱し、調理するために用いる器具の総称。古代では甑(こしき)といった土器が使用されたが、のちに、木、竹、金属などを利用し、各種の蒸し器が発達した。日本でよく使われてきたのは蒸籠(せいろう)で、これには角形と丸形がある。蒸籠がつくられたのは江戸時代である。蒸籠は、水を入れた釜(かま)や鍋(なべ)の上にのせ、下の容器を加熱して水蒸気を発生させ、蒸籠の中には簀子(すのこ)を敷いて食品をのせ、下からあがる水蒸気によって加熱する。ご飯蒸しともよばれる金属製のものは、この鍋と蒸し籠(かご)を一体化したもので、アルミ製のものがほとんどである。中国では蒸籠(チヨンロン)が主で、これは、竹を編んだものや、竹皮を利用して、蒸籠のような形につくり、中華鍋にのせ、鍋に入れた水の蒸気で蒸す。

 蒸し器で調理すると、温度を100℃以下に調節しながら加熱できるので、穏やかに加熱できる利点がある。そのため、香り(竹やゆず、桜葉)を料理に移したり、しっとりとした口あたりの料理をつくることができる。

[河野友美・大滝 緑]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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