日本歴史地名大系 「由原村」の解説 由原村ゆすはらむら 大分県:大分市旧大分市地区由原村[現在地名]大分市八幡(やはた) 上八幡(かみやはた)大山(おおやま)村の西にある山間の村で、豊前道(柞原八幡宮参詣道)に沿う。西は高崎(たかさき)村。柞原(ゆすはら)八幡宮の鎮座する由原山について「豊後国志」は「叢樹鬱蒼、山不甚嶮、有一之阪、二之阪、自回顧、則海面如鏡、彩翠環海、大清濯影、景勝可掬已」と記す。正慶元年(一三三二)正月一一日の賀来社年中行事次第(柞原八幡宮文書)に「由原村」とあり、黒尾祭の神事を行うための料田四段、神官供僧饗膳酒肴料田一町五段があった。由原宮の草創などを記した文亀元年(一五〇一)一二月一三日の賀来社遷宮等次第記(同文書)に「八幡大菩薩豊後州賀来庄由原村御影向事、天長七年七月七日也」とみえるが、一考を要する。文禄三年(一五九四)正月九日の由原山宮主坊拘分供田注文(同文書)に「いくし名之内由原」とあり、生石(いくし)名のなかに編成されていった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報