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異類物 いるいもの

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

異類物
いるいもの

御伽草子(おとぎぞうし)の一種。鳥獣魚虫あるいは草木などに人間性を付与して登場させた作品。大きく分けて、人間と同じ行為を異類にさせる擬人物と、異類と人間との婚姻を主題にした作品とがある。前者は1452年(享徳1)以前成立の『十二類絵巻』をはじめ、異類同士の合戦や歌合(うたあわせ)を内容としたものが多い。後者は古代神話以来の伝承説話と関係が深く、『鶴(つる)の草子』『蛤(はまぐり)の草子』『鼠(ねずみ)の草子』などが有名である。異類の姿態のおもしろさから、絵巻や奈良絵本の好個の材料となって、江戸時代初期まで流行した。[松本隆信]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の異類物の言及

【御伽草子】より

…御伽草子以前を考察するには,《風葉和歌集》や《蔵玉和歌集》は必須のものであり,さかのぼって鎌倉時代物語(わずか二十数編のみ)にまで及ぶべきで,《三十二番職人歌合》や《自戒集》にうかがいうる〈絵解き〉のなりわいをも追究すべきである。 古作で重要なものは,本地物――《天神縁起》《諏訪縁起》など仏神の本縁や前生を説くもの,のちに〈本地〉の題名で継承されていく――とか異類物――《三宝絵詞》序に,草木禽獣を擬人化した作品の存したことがうかがわれる――である。異類物には,《鴉鷺(あろ)合戦物語》や《精進魚類物語》(後者は寛永期(1624‐44)の丹緑本〈四生の歌合〉への系譜をなす)のような異類どうしの物語と,《狐の草子》《七夕》《鶴の草子》など口承性豊かな異類婚姻を扱うものとがある。…

※「異類物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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