発心和歌集(読み)ホッシンワカシュウ

デジタル大辞泉 「発心和歌集」の意味・読み・例文・類語

ほっしんわかしゅう〔ホツシンワカシフ〕【発心和歌集】

選子内親王による自撰和歌集。寛弘9年(1012)成立。1巻。斎院として長く神に仕える身であった著者が、和歌により仏と結縁けちえんすることを目的編纂へんさんしたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の発心和歌集の言及

【選子内親王】より

…斎院には,宰相,馬内侍,斎院中務,斎院中将,右近,などの多数の女房を集め,〈歌のかみ〉〈物語のかみ〉を定めたりし,皇后定子(藤原定子),中宮彰子(上東門院)とならんで,後宮文芸の発展に寄与した。《拾遺和歌集》以後の勅撰集に37首入集し,家集《大斎院前の御集》《大斎院御集》《発心和歌集》を残す。《大斎院前の御集》《大斎院御集》は,選子個人の家集ではなく,定子や彰子の後宮を《枕草子》や《紫式部日記》が記録するように,斎院サロンのありさまを伝え,《発心和歌集》は,斎院でありながら仏教に帰依し,《法華経》の法文を題にして詠んだ釈教歌55首を収めているが,釈教歌としても初期の作品に属し,家集は,みな文学史上特異な作品として注目されている。…

※「発心和歌集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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