結縁(読み)ケチエン

デジタル大辞泉の解説

けち‐えん【結縁】

仏語。
㋐仏・菩薩(ぼさつ)が世の人を救うために手をさしのべて縁を結ぶこと。けつえん。
㋑世の人が仏法と縁を結ぶこと。仏法に触れることによって未来の成仏・得道の可能性を得ること。けつえん。
関係ができること。特に親類になること。けつえん。
「御両家の―の為にこそ御加勢もいたしつれ」〈蘆花不如帰

けつ‐えん【結縁】

けちえん(結縁)

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世界大百科事典 第2版の解説

けちえん【結縁】

仏法と縁を結ぶこと。(1)仏・菩薩が衆生救済のために衆生と縁を結ぶこと,(2)衆生が仏道修行のために仏法僧の三宝と縁を結ぶことをいう。結縁は,ただちに修行に入り悟りを得ることに直結しなくとも,これが縁となって将来の成仏(じようぶつ)につながる因縁として重要視された。密教ではその教えに接する者を結縁機といい,諸尊のなかから自分の守本尊を選びとる灌頂(かんぢよう)を結縁灌頂という。また結縁のために経文を書写することを結縁経といい,これを供養する法会を結縁経供養という。

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大辞林 第三版の解説

けちえん【結縁】

〘仏〙
今すぐ仏道に入って悟りを開くことができなくても、いつか仏道に入るために、仏教と縁を結ぶこと。仏・菩薩が衆生しゆじようを救うために行う場合と、人間の方から縁を結ぶ場合とがある。けつえん。
関係をもつこと。縁者となること。けつえん。
「結縁灌頂」の略。

けつえん【結縁】

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精選版 日本国語大辞典の解説

けち‐えん【結縁】

〘名〙
① 仏語。仏道に縁を結ぶこと。未来に成仏する機縁を作ること。また、そのために写経や法会を営むこと。
※醍醐寺本元興寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「高麗大興王方睦大倭、尊重三宝、遙以随喜、黄金三百廿両助成大福、同心結縁」
② 大事なもの、貴重な文物に接する機会を得ること。
※実隆公記‐永正八年(1511)三月二〇日「泉涌寺常住禅月大師筆十八羅漢〈略〉今日被叡覧、以次可拝見之由也、結縁尤歓喜也」
③ 事件などに関係すること。連座すること。
※看聞御記‐応永三一年(1424)五月九日「仙洞女房事種々風聞、所詮与安密通者台所別当也、〈山徒樹下息女〉。但与安に不限有結縁之人数。御糺明之間白状申」
④ 親戚になること。縁者となること。
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉中「当家に於ては御両家の結縁(ケチエン)の為めにこそ御加勢もいたしつれ」
[補注]語形は一般に「けちえん」であるが、「日葡辞書」に「Qetyen(ケツエン)。または、qechiyen(ケチエン)」とあり、節用集等にも両形見えるところから、中世においては「けつえん」とも発音されていたとみられる。

けつ‐えん【結縁】

※延慶本平家(1309‐10)一「惣して結縁(ケツえん)経営の人夫までもほとほとに随て」

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