精選版 日本国語大辞典 「結縁」の意味・読み・例文・類語
けち‐えん【結縁】
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仏法と縁を結ぶこと。(1)仏・菩薩が衆生救済のために衆生と縁を結ぶこと,(2)衆生が仏道修行のために仏法僧の三宝と縁を結ぶことをいう。結縁は,ただちに修行に入り悟りを得ることに直結しなくとも,これが縁となって将来の成仏(じようぶつ)につながる因縁として重要視された。密教ではその教えに接する者を結縁機といい,諸尊のなかから自分の守本尊を選びとる灌頂(かんぢよう)を結縁灌頂という。また結縁のために経文を書写することを結縁経といい,これを供養する法会を結縁経供養という。結縁のために法華経を8座にわたって講ずる法華八講を結縁八講,結縁のために読経回向するのを結縁諷経(ふぎん)という。浄土宗の教義を5通りに分かって伝授する結縁五重(ごじゆう),結縁授戒などがある。縁日は仏と結縁する日という意味であり,あらゆる機会をとらえて人々と仏法の縁を結び,その功徳で信仰に導こうとしたものである。また堂塔の建立に対する布施(ふせ)も結縁という。
執筆者:藤井 正雄
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