白血球接着不全症

内科学 第10版 「白血球接着不全症」の解説

白血球接着(癒着)不全症(好中球機能異常症)

(2)白血球接着(粘着)不全症(leukocyte adhesion deficiency:LAD)
 白血球接着不全症には3タイプ(LAD1,2および3)あり,すべて常染色体劣性遺伝を示す.LAD1はCD18の異常であり,β2インテグリン(CD11a/CD18,CD11b/CD18およびCD11c/CD18)に異常がみられる.接着を必要とするすべての白血球機能に著しい障害がみられ,乳児期より重篤な細菌および真菌感染症を繰り返す.膿瘍形成がなく,臍帯分離が遅延し,末梢血で強い好中球数の増加が持続する.感染症に対する強力な治療が基本である.重症例の予後は不良であり,造血幹細胞移植が有効である.LAD2はセレクチンリガンドである糖鎖のフコシル化に異常があり,白血球のころがり運動が障害されている.LAD3はβ1,β2およびβ3インテグリンの活性化が障害されている.[北川誠一]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android