デジタル大辞泉 「糖鎖」の意味・読み・例文・類語 とう‐さ〔タウ‐〕【糖鎖】 ぶどう糖などの糖がグリコシド結合した化合物。結合する糖の数は最小二つから最大数万までさまざま。生体内のたんぱく質や脂質と結合し、細胞どうしの認識や相互作用に重要な機能を果たしている。ABO式血液型は、赤血球の表面にある糖鎖の違いによって分類される。→少糖類 →多糖類[補説]糖鎖は癌がんや感染症をはじめとするさまざまな病気にも関与しており、病態の解明や新薬の開発を目的とした研究が進められている。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
知恵蔵 「糖鎖」の解説 糖鎖 糖たんぱく質や糖脂質などの生体分子において、たんぱく質や脂質に結合している糖類の鎖。広義には糖類だけがグリコシド結合によってつながったものも糖鎖と呼ぶことがあるが、その場合には炭水化物と同義である。核酸塩基やアミノ酸の連鎖が、2次的に折り畳まれたり、ループを作ったりすることはあっても、基本的には直線的にしかつながらないのに対して、糖は多数の水酸基をもち、さまざまなつながり方ができるために、糖鎖は非常に多様な構造をとれる。単独の糖鎖としては、でんぷん、グリコーゲン、セルロース、ペクチンなどがある。糖たんぱく質及び糖脂質は、血漿(けっしょう)、卵白、コラーゲン、ホルモンなど、生体内で重要な機能を果たす生体分子である。近年注目を浴びているのは、細胞膜表面にある抗原性をもつ糖たんぱく質で、その構造の多様性ゆえに各種のシグナルを認識するための標識分子としての役割を果たしていることが明らかになっている。血液型物質もそうした糖たんぱく質の1つである。 (垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by