百家姓(読み)ひゃっかせい(その他表記)Bǎi jiā xìng

改訂新版 世界大百科事典 「百家姓」の意味・わかりやすい解説

百家姓 (ひゃっかせい)
Bǎi jiā xìng

中国で用いられた児童などに文字をおぼえさせるための教科書。姓氏を4字句の文に仕立ててある。〈百〉は数の多さをいうことばで,実際には複姓を含め全部で472字の文字を含む。その始まりが〈趙銭孫李〉であり,次の句が〈周呉鄭王〉であるところから,宋の王明清の《玉照新志》は,五代呉越の主であった銭弘俶が,宋初まだその身分を保っていたとき,支配下の人間がこしらえたものという説を立てた。趙が天下の主,宋王朝の姓,銭がその下にあり,孫はその妃,李は江南の李氏,次の句の姓はすべて初代銭鏐(せんりゆう)以下の后妃の姓だというのである。宋代には《千家姓》もあった。
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