朝日日本歴史人物事典 「盛阿弥」の解説
盛阿弥(初代)
桃山・江戸初期の京都の塗師。3代続いて盛阿弥を称した。初代は千利休の塗師で,名を紹甫といい豊臣秀吉から天下一の号を許された。『梵舜日記』慶長11(1606)年1月27日には盛阿弥は塗師と明記され,棗や茶筅を筆者の豊国神社社僧梵舜に献じており,すでに茶道具の専門的塗師として上方で活動していたことが窺える。その作の在銘品としては器底に「盛」「盛(花押)」の針彫りがあるが後世の後彫りが多いとみられ,確証のある作には乏しい。<参考文献>藤村庸軒『茶話指月集』
(小池富雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報