直播法(読み)ちょくはんほう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「直播法」の解説

直播法
じきまきほう

稲作種籾(たねもみ)を直接に水田へ播種する栽培法。日本では苗代で苗を育ててから本田に移植する田植法が一般的だが,中国大陸から日本列島に稲作が伝来した時点では,両者が同時にもたらされたと考えられる。直播法はおもに川や水辺に近い排水困難な湿地帯で採用された。近年まで関東南部の湖沼付近の水田や谷津田(やつた)で行われ,スジマキあるいは摘田(つみた)といった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の直播法の言及

【草地】より

…なお,多くの場合,土地の傾斜が6度内外以下の緩傾斜地では採草地または兼用草地が,土地の傾斜が10~15度以上の急傾斜地では放牧草地が造成される。一方,不耕起法は大型トラクターなどによる機械造成の困難な傾斜が20度内外以上の急傾斜地での草地の造成に用いられるもので,蹄耕(ていこう)法と直播(ちよくはん)法とにわけられる。蹄耕法は造成しようとする土地に家畜を放牧して自生している野草類を採食によって抑圧し,同時に放牧家畜の蹄圧で土壌をかくはんおよび鎮圧し,ここに施肥と牧草の播種を行う。…

※「直播法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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