…これは829‐834年(天長年間の後半)淳和天皇発願により空海が描かせたと考えられるもので,その強靱な描線であらわす格調高い像容は,いま見ることのまれな本格的な唐代密教画の趣致を伝えている。近年,879年(元慶3)の制作という説の出された東寺西院伝来の彩色の一本(《真言院曼荼羅》)がこれに次ぐ遺品で,こちらにも晩唐様が指摘されているが,いずれも忠実な伝写の技術ばかりではない高度な画境を示すもので,おそらく当時の水準を超えているであろう。東寺にはまた空海が将来した真言五祖像とそれを範として日本で制作された竜猛・竜智の二祖像が伝えられている。…
※「真言院曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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