金剛界(読み)こんごうかい(英語表記)vajra-dhātu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金剛界
こんごうかい
vajra-dhātu

仏教用語。『金剛頂経』で説かれる唯一絶対の実在界のこと。正しくは一切如来身語心金剛界という。究極的実在を想像も及ばない無量無数の一切の如来たちの身体と言葉と精神が1つに集合した絶対界であると表現したもの。表現不可能なこの実在者が衆生利益のために顕在化し,象徴的な図形によって自己を表現したとされるものが金剛界曼荼羅である。

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百科事典マイペディアの解説

金剛界【こんごうかい】

サンスクリットvajra-dhatuの訳。胎蔵界とともに密教における二つの世界の一つ。仏(大日如来)の知恵の世界をさし,その堅固さを示す。《金剛頂経》の説くもので,これを図示したものを金剛界曼荼羅(まんだら)という。→両界曼荼羅

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大辞林 第三版の解説

こんごうかい【金剛界】

密教で説く両部の一。大日如来を智慧ちえの面から表した部門。如来の智徳はなによりもかたく、すべての煩悩を打ち砕くことからその名があるという。 ⇔ 胎蔵界たいぞうかい

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金剛界
こんごうかい

密教における根本教義に二方面があるが、その一つ。胎蔵界(たいぞうかい)に対する。サンスクリット語バジラダートゥvajradhtuの訳。金剛(バジラ)はもともとは武器をさす語であるが、ここでは大日如来(だいにちにょらい)の真実の智慧(ちえ)を意味し、それが堅固で壊れないことに例えられて金剛という。界(ダートゥ)は多義あるが、空海の『金剛頂経開題』によると、体・界・身・差別の義をあわせもつという。根本経典は『金剛頂経』系の経典と儀軌(ぎき)であり、その思想を図示したものが金剛界曼荼羅(まんだら)である。血脈(けちみゃく)は胎蔵界では異説が多いのに比べて、金剛界では東密(真言密教)、台密(天台密教)ともに、大日如来―金剛薩(さった)―竜猛(りゅうみょう)―竜智(りゅうち)―金剛智―不空(ふくう)と受け継ぐ。[小野塚幾澄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こんごう‐かい コンガウ‥【金剛界】

〘名〙 仏語。
① 密教で、大日如来を智徳の方面から開示した部門。この如来の智徳は堅固ですべての煩悩(ぼんのう)を打ち破る力を持っているので金剛という。⇔胎蔵界
※観智院本三宝絵(984)下「胎蔵界金剛界を年をへだちつつたがひにおこなふ」
※太平記(14C後)一二「西寺には南都の周敏僧都金剛界(コンガウカイ)の五百余尊を顕(あらは)して、玉体の長久を祈らる」

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