真言院(読み)シンゴンイン

デジタル大辞泉 「真言院」の意味・読み・例文・類語

しんごん‐いん〔‐ヰン〕【真言院】

平安京大内裏中和院の西にあった密教修法道場。承和元年(834)空海の奏請により唐の青竜寺に倣って設置された。毎年正月、後七日ごしちにち御修法みしほが行われた。修法院

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精選版 日本国語大辞典 「真言院」の意味・読み・例文・類語

しんごん‐いん‥ヰン【真言院】

  1. 平安京大内裏の西南、中和院の西にあった朝廷の修法道場。承和元年(八三四)の空海の奏請によって設置され、その壇上後七日(ごしちにち)の修法を行ない、以後、毎年正月の恒例となった。

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日本歴史地名大系 「真言院」の解説

真言院
しんごんいん

[現在地名]宇治田原町岩山

亀井山と号する真言宗東寺派の寺院で、本尊薬師如来中興四世貞敬の語を禅定ぜんじよう(現宇治田原町)中興二世白隠卍山が元禄八年(一六九五)に記した真言院霊感記(当院蔵)によれば、天長五年(八二八)に空海が開いた霊場で、中興の宥雅が元和三年(一六一七)寺の南側の丘で如意輪観音像を掘出したという。また三世覚全も付近の山中で五輪石塔をみつけたという。この五輪塔は鎌倉期を下らない名品で、現在も境内にある。また本尊の薬師如来は室町時代の作といわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「真言院」の意味・わかりやすい解説

真言院 (しんごんいん)

平安京の大内裏(だいだいり)にあった修法道場。宮中真言院,修法院曼荼羅道場ともいう。834年(承和1)12月,空海の上奏により,唐の内道場に擬して設けられ,勘解由使(かげゆし)の庁舎が充てられた。そして,その翌年1月から始まった後七日御修法(ごしちにちみしゆほう)を行う場所であった。989年(永祚1)以来たびたびの災害で倒壊し,やがて朝廷の衰微とともに御修法も行われず,荒廃に帰した。
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世界大百科事典(旧版)内の真言院の言及

【後七日御修法】より

…天皇の身体安穏と国家の安泰・繁栄を祈って,毎年1月8日から7日間,宮中真言院で行われた真言宗の重要な儀式。元日から7日までの節会の後の,7日間の修法から後七日といい,真言院御修法,後七日法ともいう。…

※「真言院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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