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両界曼荼羅 りょうかいまんだら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

両界曼荼羅
りょうかいまんだら

金剛界曼荼羅胎蔵界曼荼羅併称両部曼荼羅ともいう。大日如来を主尊とし,密教諸尊を2種の体系に統合総集して構成した大規模な曼荼羅で,正純密教の説く宇宙観を象徴的に表わすものとして最も重視されてきた。胎蔵界は 12院,金剛界は9会から成り,おのおの『大日経』『金剛頂経』を所依 (しょえ) として,元来別々に展開してきたが,中国において両者相補うべきものとして前者を東,後者を西に位置させて用いるようになった。このようなセットとしての両界図の成立には唐の恵果が大きな役割を果し,彼が図絵させて空海に授けた両界図は日本に将来されて,東密におけるいわゆる現図曼荼羅祖本となり,多くの転写本を生んだ。『高雄曼荼羅』 (神護寺) はその最古の遺品。教王護国寺蔵三幅本 (伝真言院曼荼羅) をはじめ,彩色されるのが原則であるが,前記『高雄曼荼羅』のような金銀泥によるものもある。多数の諸尊を配するため一般に大幅本が多い。

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百科事典マイペディアの解説

両界曼荼羅【りょうかいまんだら】

両部曼荼羅,金胎両部とも。金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の併称。真言密教の根本的な曼荼羅である。金剛界胎蔵界の関係は不二平等とされ,金剛界が果,胎蔵界が因を表す。

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世界大百科事典 第2版の解説

りょうかいまんだら【両界曼荼羅】

密教の教義を,大日如来を中心とした諸尊の配置によって図示した曼荼羅。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅をあわせて両界曼荼羅という。両部曼荼羅とも称される。これら金・胎両曼荼羅は,インドでは別々に発達し,7世紀中ごろに成立した《大日経》により胎蔵曼荼羅が作られ,7世紀から8世紀初めにかけての《金剛頂経》にもとづき金剛界曼荼羅が出現する。胎蔵界曼荼羅は大悲胎蔵生曼荼羅,また胎蔵曼荼羅と称し,〈界〉を有さないが,中国唐代において金剛界曼荼羅と併用するにいたり,両者をあわせて両部曼荼羅と称されたが,のち〈金剛界〉に対応させて胎蔵界曼荼羅となり,両界曼荼羅の呼称が一般化した。

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大辞林 第三版の解説

りょうかいまんだら【両界曼荼羅】

真言密教の根本義を図示した金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の併称。両部曼荼羅。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

両界曼荼羅
りょうがいまんだら

両部(りょうぶ)曼荼羅ともいい、空海請来(しょうらい)の『現図(げんず)両界曼荼羅』をさす。両界とは、金剛(こんごう)界と胎蔵(たいぞう)界の曼荼羅一対(一組)をいう。また修法の金剛界・胎蔵界(正しくは胎蔵法という)に使用する曼荼羅の意。金堂などでは、内陣において向かって胎蔵界を東側に、金剛界を西側にかけるのを基本とする。真言(しんごん)密教では、この二部立(にぶだて)をおのおのの両方の壇上の敷(しき)曼荼羅に当てはめ、両部(両界)不二(ふに)を表す。[真鍋俊照]

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世界大百科事典内の両界曼荼羅の言及

【東寺】より

…ほかに彫刻では,毘沙門堂に安置されるが,もと羅城門の楼上にあったといわれ,異国風の容貌,服装をした兜跋毘沙門天(とばつびしやもんてん)立像(唐代)が国宝。 絵画では《真言七祖像》(唐代および平安前期),《五大尊像》(伝覚仁筆,平安後期),《十二天屛風》(伝宅磨勝賀筆,鎌倉前期),《両界曼荼羅》(平安前期)がいずれも国宝。《真言七祖像》はそのうち五祖像が唐の李真筆で,空海が請来し,他の2祖は帰国後描かせたとされる。…

【平安時代美術】より

…観心寺如意輪観音像の表現はその両者の調和の上にあるといってよく,多臂の超人間的な形姿を巧みにまとめて密教像独特の神秘的な雰囲気を最高度に示している。 密教の根本教義を造形化した両界曼荼羅はいうまでもなく空海が唐から将来したものがその基本となるわけであるが,その絹本彩色の画幅は早くに傷み,現存最古のものは神護寺が蔵する綾本金銀泥絵の一本(《高雄曼荼羅》)である。これは829‐834年(天長年間の後半)淳和天皇発願により空海が描かせたと考えられるもので,その強靱な描線であらわす格調高い像容は,いま見ることのまれな本格的な唐代密教画の趣致を伝えている。…

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