真
郷
まふきごう
「和名抄」所載の郷で、高山寺本にはみえない。諸本に訓を欠く。「日本地理志料」は
は吹であり、万布岐と読むべしと指摘する。「万葉集」巻一四に「真金吹く丹生の真朱の色に出て言はなくのみそ吾が恋ふらくは」の歌がある。真金吹くは鉄を精錬することで、真
郷は古代製鉄工房を経営する郷をさしていると考えられる。東北電力原町火力発電所建設に伴う発掘調査で、原町市金沢にある金沢地区製鉄遺跡群を平成元年(一九八九)から同三年まで八万平方メートル発掘し、同四年以降も継続される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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