睨合(読み)にらみあう

精選版 日本国語大辞典 「睨合」の意味・読み・例文・類語

にらみ‐あ・う ‥あふ【睨合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 互いににらむ。互いに目をいからせてじっと相手を見る。
浮世草子好色五人女(1686)二「道中両方白眼(ニラミ)あひて何の子細もなく京迄下向して」
② 敵対する者が、互いに相手の動きをじっとうかがい、行動にうつらないでいる。
※東国陣道記(16C末)「山の名のにらみあひたるせめ衆よにんにく慈悲にひかせてもたへ」

にらみ‐あい ‥あひ【睨合】

〘名〙
① 互いににらみ合うこと。また、互いに敵視して、相手の様子をうかがっていること。
※松翁道話(1814‐46)二「貪欲とは飯碗の内から白眼(ニラミ)合ひする兵糧攻」
② 取引相場で、売方・買方ともに機の熟するのを待つこと。また、相場に変動のないこと。〔取引所用語字彙(1917)〕

にらみ‐あわ・す ‥あはす【睨合】

[1] 〘他サ五(四)〙 互いににらむ。また、あれこれと比較・参照して考え合わせる。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「文三はグット視下ろす、昇は視上げる、眼と眼を疾視合(ニラミア)はした、何だか異(おつ)塩梅で」
[2] 〘他サ下二〙 ⇒にらみあわせる(睨合)

にらみ‐あわ・せる ‥あはせる【睨合】

〘他サ下一〙 にらみあは・す 〘他サ下二〙 あれとこれとを比較したり参照したりして、うまくいくように考える。
黄金伝説(1946)〈石川淳〉「天候ぐあひとわたし自身のからだぐあひとを睨み合はせながら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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