睾丸損傷(読み)こうがんそんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「睾丸損傷」の意味・わかりやすい解説

睾丸損傷
こうがんそんしょう

外傷で陰嚢(いんのう)の皮膚裂傷を被っても、睾丸自体は可動性があるため、なんら損傷を受けないことが多い。しかし、睾丸に直接鈍力が及ぶと疼痛(とうつう)と吐き気嘔吐(おうと)を催し、下腹部にも痛みが生ずる。睾丸はじょうぶな線維性鞘膜(しょうまく)で覆われているため、それが破れることはまれである。もし外力が大きくて破裂した場合は、陰嚢内に大きな血腫(けっしゅ)ができるので、ただちに手術を行い修復しなくてはならない。その際、超音波診断やラジオ・アイソトープ検査が損傷の程度を知るうえに大いに役だつ。単なる打撲の場合は、睾丸部をサポーターなどで安静に保つだけでよい。

[松下一男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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