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皮膚 ひふ skin; cutis; derma

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

皮膚
ひふ
skin; cutis; derma

体表をおおう被膜。 (1) 表皮,真皮,皮下組織に分けられ,付属器として汗腺,皮脂腺,爪,毛などがある。表皮は上皮組織から成り,4~5層に分けられる。表皮細胞は最下層の基底層で新生し,次第に上昇して最上層の角質層ではがれ落ちる。

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知恵蔵2015の解説

皮膚

皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成る。表皮(0.1〜0.3mm)は、角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層の細胞層からなり、表皮細胞の大部分はケラチノサイト(角化細胞)だが、基底層には免疫を担当するランゲルハンス細胞や、メラニン色素を生成するメラノサイト(色素細胞)なども点在。真皮(2〜3mm)は基底膜を介して表皮と接している。表皮に比べ細胞成分(主として線維芽細胞)はまばらで、多くは細胞外マトリックス(コラーゲンエラスチンヒアルロン酸等)。真皮の下には、脂肪層などの皮下組織がある。

(三浦志郎 資生堂ビューティーソリューション開発センター所長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ひ‐ふ【皮膚】

動物の体を覆い保護している組織。脊椎動物では表皮真皮皮下組織からなり、毛・爪(つめ)・角(つの)・羽・うろこや、汗腺皮脂腺乳腺などが付属。呼吸・知覚・体温調節などの機能ももつ。無脊椎動物では表層およびそれを覆うクチクラからなる。

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百科事典マイペディアの解説

皮膚【ひふ】

生体の外表をおおう組織。無脊椎動物ではほとんど1層の上皮細胞からなり,表面に繊毛をもつものも多い。脊椎動物では表皮,真皮,皮下組織の3層からなり,付属器官として毛,爪(つめ),鱗,羽毛などの角質器,汗腺,皮脂腺,乳腺などをもつ。
→関連項目皮下脂肪表皮

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栄養・生化学辞典の解説

皮膚

 体表面を覆う組織.表皮と真皮がある.

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世界大百科事典 第2版の解説

ひふ【皮膚 skin】

多細胞動物の体表をおおう被膜で,無脊椎動物では外胚葉性の表皮からなるが,脊椎動物では外胚葉性の表皮が中胚葉性の真皮によって裏うちされている。無脊椎動物の表皮は,1層の上皮細胞からできており,その中にさまざまな感覚細胞や腺細胞が散在している。ウズムシ類,センチュウ類,ワムシ類など水生の小動物では,上皮細胞の表面に繊毛があり,水中での運動や食物粒子の摂取に役だっている。節足動物など陸上生活も行う動物では,上皮細胞の表面が細胞の分泌したクチクラでおおわれている。

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大辞林 第三版の解説

ひふ【皮膚】

後生動物の体表をおおっている一層または多層の組織。身体保護・体温調節・排泄・皮膚呼吸などを営む。ヒトでは表皮・真皮・皮下組織から成り、血管系・リンパ系・神経系を有する。無脊椎動物では一層の表皮とその生産物であるクチクラとから成る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

皮膚
ひふ
skin

体表面を覆っている連続した膜状の器官で、口や肛門(こうもん)などの開口部で粘膜に移行する。身体の内部環境の恒常性を維持し、また体内の異常を反映させるなど、複雑な機能を営む特殊な器官である。[川村太郎]

形態

最表層は表皮とよばれる層状の上皮であり、その下にある真皮は主としてじょうぶな結合組織からなり、そのために皮膚は外力によって容易にちぎれなくなっている。真皮の下の皮下組織は主として脂肪組織からなり、栄養による変動を受けやすい。
 なお、皮膚の総面積(体表面積)は日本人成人の場合、男性約1.62平方メートル、女性約1.43平方メートルで、皮下組織を除いた皮膚の厚さは女性より男性が厚く、部位によって異なるがだいたい2ミリメートル前後で、そのうち表皮は0.2ミリメートル、足底がもっとも厚く、眼瞼(がんけん)(まぶた)がもっとも薄い。また、重量は体重の約8%を占めている。
 皮膚表面の形態は、無毛部と有毛部で多少異なっている。無毛の皮膚、すなわち手足の指腹および掌蹠(しょうしょ)(手のひらと足の裏)の皮膚表面には、凸稜(とつりょう)(皮膚小稜・皮稜)と溝(皮膚小溝・皮溝)とが平行に走って紋理(指紋および掌紋)を形成している。すべての皮稜表面には汗孔があり、ここに汗腺(かんせん)の分泌管(汗管)が開いている。表皮の最外層の角層(角質層)は厚く、その下に透明層(淡明層)がある。表皮の下面には、皮稜と皮溝にそれぞれ一致して走る突稜がある。皮稜下面の突稜の、汗管の付着部位間にはメルケル細胞(メルケル触覚盤)があり、それに知覚(触覚)神経が分布している。真皮にはマイスネル小体その他の知覚小体がある。以上のほかの構造は、有毛皮膚の場合と同様である。
 有毛皮膚は、頭皮のように硬毛の生えている部位と、手足のようにうぶ毛の生えている部位とがある。これらの皮膚表面は、乱雑に走る皮溝によって三角形や菱(りょう)形などの皮野に区分されている。表皮は無毛部に比べて角層が薄く、透明層はない。角層の下には順次、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層がある。基底層(種子層)の細胞が分裂してその数を増し、しだいに分化しながら押し上げられて有棘層以上の細胞を形成する。角層(および透明層)では細胞が角化して核がみられない。角層を形成する角質板は徐々に剥離(はくり)して垢(あか)となる。角層は脂質のエマルジョン(皮表脂質)で覆われている。表皮を形成する上皮細胞は究極的には角化するから、角化細胞(ケラチノサイト)ともいわれる。表皮の少数成分としてケラチノサイトでない細胞もある。すなわち、基底層にあるメラノサイトは、上皮線維をもっていないので明るい細胞(澄明細胞)としてみられる。メラニンを産生して、これをケラチノサイトに与える。メラノサイトよりもすこし上方の位置、すなわち有棘細胞層内にランゲルハンス細胞がある。この細胞は、免疫監視機構の皮膚における最先端であるとされている。
 真皮の表面には多数の乳頭状の突起があり表皮の下面の陥凹にはまっているので、断面にしてみると表皮と真皮との境界は波打っている。真皮乳頭内にはへアピン状の毛細血管があって、その一端は小静脈に、他端は小動脈につながっている。真皮の主成分は、コラーゲンからなる膠原線維(こうげんせんい)およびエラスチンからなる弾力線維(弾性線維)、それらの間隙(かんげき)を満たす結合組織基質とから成り立っていて、その中に毛嚢(もうのう)や汗腺などの皮膚付属器官が埋められており、また血管やリンパ管、および神経が通っている。動静脈はほぼ神経に沿って走っている。
 汗腺(エクリン腺)は無毛皮膚と有毛皮膚とに共通して存在し、その分泌部は糸を丸めたような形をしていて真皮深層にあり、汗は汗管を通って汗孔から皮表に分泌される。わきの下などの皮膚では、アポクリン腺の分泌管が毛嚢に開いている。アポクリン腺はエクリン腺に似ているが大きく、その分泌液は粘り気があって体臭のもとになる。
 毛嚢は斜めになっていて、それが真皮下面と鈍角をなす側に脂腺が付着している。脂腺細胞は脂肪粒で満たされていて、しだいに壊れて皮脂となる。皮脂は毛嚢を通って毛孔から排出され、皮表脂質を補充している。表皮細胞が角化するときに生ずる脂質も、皮表脂質に加わっている。脂腺の外側には立毛筋(起毛筋)とよばれる平滑筋が斜めに走っていて、毛嚢に付着している。陰嚢および乳頭には立毛筋以外の平滑筋がみられ、顔面では横紋筋(表情筋)がみられる。毛嚢の脂腺に面するあたりに神経が分布しており、毛嚢は重要な知覚器官でもある。また、毛嚢に接する表皮が特別の触覚器官(毛盤)を形成し、そこに多数のメルケル細胞のみられる場合がある。毛嚢の最下端にはタマネギ状に膨らんだ部位の中心部に毛母とよばれる上皮細胞群があり、これが分裂して増殖し、押し上げられると同時に角化して毛になる。毛母にもメラノサイトがあって毛にメラニンを供給している。毛母の細胞増殖には消長があり、その最盛期である成長が止まると、毛は毛母を離れて毛嚢の中を上行し(退行期)、ついに抜けてしまう。これを休止期といい、続いて新しい成長期が始まる。以上を毛(もう)周期という。各毛嚢の毛周期がばらばらで一定しないため、毛の数にはほぼ増減がみられない。
 皮膚の神経には触覚神経のほか、痛覚神経、冷温覚神経、自律神経がある。痛覚神経は局所麻酔によってその機能をもっとも容易に失いやすい。したがって、まったく無痛になっても触覚が保たれることがある。自律神経は血管の収縮・拡張、汗および皮脂の分泌、立毛筋の収縮などを支配する。
 表皮の角層は軟ケラチンからなり、爪(つめ)と毛は硬ケラチンからなる。爪の下(爪床(そうしょう))の根元に近い部分(爪母(そうぼ))の上皮細胞の分裂および角化によって爪は伸びる。[川村太郎]

発生

表皮ケラチノサイト、毛嚢、脂腺などの上皮細胞は、胎生期表皮(外胚葉(がいはいよう)由来)から生ずる。真皮の血管および結合組織は間葉に由来する。ランゲルハンス細胞も間葉に由来することが定説となっている。神経およびメラノサイトは、外胚葉由来の神経堤から生ずる。
 なお、皮膚に固有の物質は硬ケラチンおよび軟ケラチンであり、いずれも多量のシスチンを含有する線維タンパク質で、長いポリペプチド鎖がS‐S結合によって横につながっている。[川村太郎]

生理

皮膚の生理作用は、外部環境に対する保護作用と知覚作用とに2大別される。人体を形成する組織はきわめて繊細であり、外界の作用に対して皮膚に覆われることによって保護されない限り生存できない。すなわち、強固な真皮は機械的外力に抵抗し、温熱や寒冷に対して体温を一定に保つ作用は、発汗量の調節と皮膚血管の収縮・拡張によって行われる。また水分をはじめとして、諸物質が体内に侵入もしくは体外に漏出することは、表皮とくに角層が障壁帯として作用することによって阻止される。表皮のメラニンは、日光とくに紫外線の侵入を阻止する。皮膚の表面を覆う脂質のエマルジョンは弱酸性であり、細菌や真菌の増殖を食い止める作用(自浄作用)がある。
 皮膚には諸種の知覚神経が分布しているところから、全身の皮膚は一つの大きな知覚器官であるという見方もある。知覚もまた体の保護と関係が深い。皮膚知覚の大部分は反射路に流れていて、意識に上る部分は少ない。たとえば、熱いと思ったときには、すでに反射運動で身を守っている。指先にメルケル細胞やマイスネル小体が密に配置されていることは、指先の巧緻(こうち)な運動が皮膚知覚によって無意識に調節されていることを暗示する。
 なお、皮膚の色は主としてメラニンの多少と血液とで決まる。人種によるメラニン色素の強弱は、メラノサイトの数の差ではなく、機能の差による。毛髪の色もまたメラニン量によって左右される。赤毛はフェオメラニンを含有している。[川村太郎]

動物の皮膚

動物体の外表面を覆う器官で、哺乳(ほにゅう)類では一般に体中で最大の器官である。脊椎(せきつい)動物の皮膚は外胚葉(がいはいよう)性の表皮と、中胚葉性の真皮や皮下組織とからなる。表皮は哺乳類の毛やつめ、ウシ、シカ、サイの角(つの)、クジラ類のひげ、鳥類の羽毛、爬虫(はちゅう)類、魚類の鱗(うろこ)などの付属器官を生じ、一般に多層上皮を形成する。表皮の最下層は胚芽層といい、細胞がすこしずつ分裂してしだいに表層に移り、角化して垢(あか)となってはげ落ちる。真皮は、膠原繊維(こうげんせんい)、弾性繊維などの繊維とムコ多糖を主とする間質、繊維芽細胞や筋肉などの細胞成分からなり、血管、リンパ管、感覚神経が多く分布する。また汗腺、皮脂腺、乳腺、両生類の毒液腺などが真皮中にあるが、これらの腺は表皮細胞が陥入して形成されたものである。色素細胞は魚類、両生類、爬虫類では真皮に存在するが、鳥類、哺乳類では表皮にもある。円口類、魚類の表皮には粘液細胞がある。皮下組織には脂肪細胞が多く、保温に役だっている。無脊椎動物の皮膚は一般に外皮とよばれ、外胚葉に由来する1層の表層とその表面を覆う小皮(クチクラ)とからなる。特別に厚い小皮は外骨格ともよばれ、成長中に周期的に脱ぎ捨てねばならないが、これを脱皮という。クラゲ、海綿、吸虫類の幼生、ウズムシ類などの水生動物では皮膚に繊毛を生じて運動器官となっている。腔腸(こうちょう)動物の皮膚には刺細胞がある。皮膚は体内の部分を外から保護し、温度、水分そのほかの体内環境を保ち、呼吸、排出、感覚などの生理機能をもつ。[大岡 宏]

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世界大百科事典内の皮膚の言及

【皮∥革】より

皮膚
[原料皮]
 たんに原皮ともいい,ウシ,ヒツジ,ヤギ,ウマ,ブタ,シカなどの哺乳類のほか,ワニ,トカゲなどの爬虫類が用いられるが,なかでも牛皮の使用量がひじょうに大きい。 原料皮は,その大きさによりハイドhideとスキンskinに区別する。ハイドは大動物(ウシ,ウマなど)の皮で,アメリカ,カナダ規格では皮重量25ポンド(約11kg)以上のもの,スキンはそれ以下のもので,幼動物または小動物(子ウシ,ヒツジ,ブタなど)の皮をさす。…

【体温】より

…体温を一定に保つといっても,その変動幅を狭い範囲にとどめる必要があるのは体内部,具体的には脳と胸腔・腹腔である。体表層部,とくに四肢で暑さ寒さに応じて皮膚温が高くなったり低くなったりすることは日常経験するところで,むしろこのように表層部の温度が変化することによって体内部の温度を一定に保っているのである。そこで体温を表層温と深部温に分けよう。…

【表皮】より

…生物体の体表をおおう組織。動物では皮膚や粘膜の上皮をいう。発生学的には外胚葉に由来する。…

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