砂摺・砂摩(読み)すなずり

精選版 日本国語大辞典 「砂摺・砂摩」の意味・読み・例文・類語

すな‐ずり【砂摺・砂摩】

〘名〙
① (水底の砂をこするところから) 魚の腹の下の肥えたところ。つちすり。
暮笛集(1899)〈薄田泣菫〉琵琶湖畔にたちて「汝もつめたき砂摺(スナズリ)に、あつき血汐や覚ゆらん」
和船の舵(かじ)の下べりの呼称。舵の最下部で船底より深く入り、浅瀬で初めに砂地にふれるところからいう。〔席船諸名集図解〕
③ 滑石などの固い細かい砂やガラスの粉などの研磨材で、レンズやガラスをみがくこと。
※写真鏡図説(1867‐68)〈柳河春三訳〉「砂磨(スナズリ)の不透明(くもり)版」
土蔵などの壁塗りの工程の一つ。砂と水にこんにゃく粉を加えて、荒打ちの上に塗る。
※落語・牛褒め(1896)〈四代目橘家円喬〉「壁は大坂土の砂摺(スナズ)りでゲスか」

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