稀用薬(読み)きようやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稀用薬」の意味・わかりやすい解説

稀用薬
きようやく

みなしご薬。患者数の少ないきわめてまれな病気に対する診断,治療,予防などに用いられる薬物。使用される量が限られるために,製薬会社が開発に積極的にならないことから,政府による保護措置がとられることが多い。アメリカでは Orphan Drug法 (稀用薬法) が制定され,発病率 1000人に1人以下の疾患の治療に用いられる薬剤の開発費用に対する税金減免や,開発したメーカーに一定期間独占的な販売権を与えるなどの保護政策がとられている。日本においても厚生労働省が,国内の患者数が5万人未満で,特に必要性の高い医薬品,医療機具を対象にして,開発助成金の交付,法人税の一部控除,承認申請の優先審査などの優遇措置の制度を設けている。

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