程無い(読み)ほどない

精選版 日本国語大辞典 「程無い」の意味・読み・例文・類語

ほど‐な・い【程無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ほどな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 隔たりが少ない。遠くはない。高くない。
    1. [初出の実例]「海もあさし山もほどなし我が恋を何によそへて君にいはまし〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)恋一・六六〇)
  3. 狭い。奥行きがない。小さい。
    1. [初出の実例]「うちもとんみえぬあふぎのほどなきにすずしきかぜをいかでこめけむ」(出典:頼基集(11C初か))
    2. 「ほどなき庭に、ざれたるくれ竹」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. ある時点から時間がいくらもたっていない。まもない。
    1. [初出の実例]「程なくまかりぬべきなめりと思ひかなしく侍也」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  5. 年若い。
    1. [初出の実例]「御息所は〈略〉程なき御身に、さる恐ろしきことをし給へれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  6. 卑しい。身分がとるに足りない。
    1. [初出の実例]「わが恋はみくらの山にうつしてむほとなき身にはおき所なし」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)二)

程無いの派生語

ほどな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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