稲荷川(読み)いなりがわ

日本歴史地名大系 「稲荷川」の解説

稲荷川
いなりがわ

女峰によほう山の南・東麓から発する七滝ななたき沢・アカメ沢などがY字峡で合流、雲竜うんりゆう渓谷をうがって標高差一千数百メートルを南東へ流下、天狗てんぐ沢を合せて神橋しんきよう下流の上・中の鉢石はついし町付近で大谷だいや川に合流する。流路延長九・七キロ、流域面積一一・八平方キロ。川名は建保年間(一二一三―一九)に禁裏守護の稲荷を勧請した稲荷神社にちなむと伝える。最上流部の七滝は滝尾たきのお神社の神体とも考えられ、「堂社建立記」には神護景雲元年(七六七)勝道が入峰した時、中腹に不動明王が出現したので同地に不動明王を勧請したとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報