普及版 字通 「穆」の読み・字形・画数・意味
穆
16画
[字訓] みのる・つつしむ・まこと・やわらぐ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
禾(か)が実って穂を垂れ、その実がはじけようとする形。〔説文〕七上に「禾(くわ)なり」とし、(ぼく)声とする。また字条九上に「細なり」とするが、その用義例はない。卜文・金文の字形は、禾穂の実がはじけるほど熟している形で、全体象形とみるべき字。内に充実して、外にあらわれようとするさまで、それを徳性の上に及ぼして穆実の意とする。金文に穆穆・淑穆のような語がある。
[訓義]
1. 禾、禾の実った形、禾の熟した形、みのる。
2. みつる、やわらぐ、つつしむ。
3. まこと、うるわしい。
4. 宗の序。祖の次に、左右に昭穆相次ぎ、五・七と列する。
5. 繆(ぼく)と通じ、あやまる。
6. 黙と通じ、しずまる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕穆 ムツブ・ムツマジ・ヨシ・ウヤマフ・ツツシム・ヤハラグ・キヨシ・ウルハシ・アツシ・マコトナリ/穆穆 ―トツツシム 〔字鏡集〕穆 ウヤマフ・ムツマジ・ウルハシ・ヨシ・ヤハラク・ツツシム・トトノフ・サカリ
[語系]
穆miukは禾実の熟すること。胚胎(はいたい)することを孚phiuといい、剖(さ)けることを剖ph、また副phiukという。その次第を意味する同系列の語と考えられる。
[熟語]
穆遠▶・穆考▶・穆粛▶・穆如▶・穆清▶・穆然▶・穆暢▶・穆穆▶・穆卜▶
[下接語]
安穆・怡穆・郁穆・允穆・悦穆・婉穆・淵穆・緝穆・淑穆・粛穆・昭穆・深穆・粋穆・綏穆・清穆・敦穆・友穆・穆・雍穆・和穆
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報