空想から科学へ(読み)くうそうからかがくへ(英語表記)原題Die Entwicklung des Sozialismus von der Utopie zur Wissenschaft

旺文社世界史事典 三訂版 「空想から科学へ」の解説

空想から科学へ
くうそうからかがくへ
原題Die Entwicklung des Sozialismus von der Utopie zur Wissenschaft

エンゲルスが著したマルクス主義入門書
1891年刊。『反デューリング論』を抜粋して3章に編集。第1〜2章では空想的社会主義が科学的社会主義へ発展する歴史とマルクス主義の科学性(唯物史観,剰余価値学説)を,第3章では資本主義社会矛盾と社会主義の必然性を述べている。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の空想から科学への言及

【エンゲルス】より

…《家族,私有財産および国家の起源》(1884),草稿《自然弁証法》(リャザーノフ編により1925年刊)などもその成果であるが,とりわけ《反デューリング論》(1878)はマルクス主義社会科学の平明な見取図として広く受け入れられ,時々の主流のマルクス主義理論(ドイツ・マルクス主義→ソ連マルクス主義)は主としてこれに依拠している。また,その一章に少し手を加えたパンフレット《空想から科学へ》(1880)は最も多く読まれた入門書である。またマルクスより十数年ながく生きて大不況や独占形成など資本主義経済の新展開を経験したから,折にふれてその分析を試み,これも後継者の現代資本主義の分析に大きな影響を与えた。…

※「空想から科学へ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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