唯物史観（読み）ユイブツシカン

デジタル大辞泉

ゆいぶつ‐しかん〔‐シクワン〕【唯物史観】

⇒史的唯物論

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ゆいぶつ‐しかん‥シクヮン【唯物史観】

1. 〘 名詞 〙 マルクス・エンゲルスが創始し、レーニンによって発展させられた社会観・歴史観。社会の諸現象の成り立ち方、つながり方、発展の仕方を、弁証法的唯物論の立場から説明したもの。社会の政治的・文化的特徴は根本的には生産様式に規定されており、生産様式は生産力の発展に照応して変革され、この変革によってやがて新しい政治・経済構造の社会が形成されると説く。史的唯物論。
   1. [初出の実例]「多くの労働争議が、唯物史観に基いて行はれ」(出典：海に生くる人々（1926）〈葉山嘉樹〉四六)

出典　精選版 日本国語大辞典

旺文社世界史事典 三訂版

唯物史観
ゆいぶつしかん
historischer Materialismus

マルクスとエンゲルスが確立した，歴史の発展法則を弁証法的唯物論の立場から解釈した歴史観
生産力と生産関係の矛盾が社会発展の原動力であるとする考えが前提。歴史上の社会は，生産様式によって規定され，生産力の発展によって生産関係も変革され，この結果，やがて政治・経済・法律や文化の変化がみちびかれるとする。マルクスらはこの変化が階級闘争によって生み出されるととらえた。

出典　旺文社世界史事典 三訂版

改訂新版　世界大百科事典

唯物史観 (ゆいぶつしかん)

→史的唯物論

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

唯物史観【ゆいぶつしかん】

→史的唯物論

出典　株式会社平凡社

山川 日本史小辞典 改訂新版

唯物史観
ゆいぶつしかん

⇒史的唯物論(してきゆいぶつろん)

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

山川 世界史小辞典 改訂新版

唯物史観(ゆいぶつしかん)

⇒史的唯物論(してきゆいぶつろん)

出典　山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」

日本大百科全書(ニッポニカ)

唯物史観
ゆいぶつしかん

→史的唯物論

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

唯物史観
ゆいぶつしかん

「史的唯物論」のページをご覧ください。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の唯物史観の言及

【史的唯物論】より

…この一例からもわかるように，史的唯物論の学問的性格規定については意見が分かれ，見解が一致しない。　史的唯物論は，その学問的性格をどのように規定するかをめぐって相当の幅が存在するにせよ，史的唯物論ないし唯物史観materialistische Geschichtsauffassung,materialistische Anschauung der Geschichteというさいの〈史Historie,Geschichte〉は，狭義の通時的歴史だけでなく，人間界の事象全般を視野に収めるものであり，したがって，そこには共時的構造も主題的与件として含まれる。このことを勘案して，とりあえず形式的に規定すれば，唯物史観ないし史的唯物論とは，社会的構造とその歴史的遷移に関する唯物論的な把握Auffassungの原理的部門ということになろう。…

※「唯物史観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」