窮鳥懐に入る(読み)きゅうちょうふところにいる

精選版 日本国語大辞典 「窮鳥懐に入る」の意味・読み・例文・類語

きゅうちょう【窮鳥】 懐(ふところ)に入(い)

(「顔氏家訓省事」の「窮鳥入懐、仁人所憫、況死士帰我、常棄之乎」による) 追いつめられて逃げ場を失った者が救いを求めに来ることのたとえ。
平家(13C前)四「窮鳥懐に入(いる)。人倫これをあはれむといふ本文あり」

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故事成語を知る辞典 「窮鳥懐に入る」の解説

窮鳥懐に入る

追い詰められた者が、どうしようもなくなって救いを求めに来ることのたとえ。また、そういう者には力を貸してやるべきだ、ということ。

[使用例] 福さんは二人を歓迎しているのか、迷惑がっているのか判らぬことを言っているが、窮鳥懐に入っては放って置けぬ性質で、私はホッと胸を撫でおろした[今日出海*駆落ち結婚式|1950]

[由来] 「顔氏家訓―省事」の一節から。争いごとには力を貸さない方がよいが、「窮鳥懐に入る(追いつめられて逃げ場を失った鳥が、人のふところの中に飛び込んできた)」場合は特別。心ある人間ならばかわいそうに感じて当然だから、見捨ててはいけない、と説いています。

〔異形〕窮鳥懐に入れば猟師も殺さず。

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