迷惑(読み)メイワク

デジタル大辞泉 「迷惑」の意味・読み・例文・類語

めい‐わく【迷惑】

[名・形動](スル)
ある行為もとで、他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること。また、そのさま。「人に迷惑をかける」「迷惑な話」「一人のために全員迷惑する」
どうしてよいか迷うこと。とまどうこと。
「一生の間煩悩の林に―し」〈倉田出家とその弟子
[派生]めいわくがる[動ラ五]めいわくげ[形動]めいわくさ[名]
[類語]不快不愉快不機嫌不興胸糞が悪い憮然仏頂面虫の居所が悪い風向きが悪いまがまがしいいまわしいいとわしいおぞましいうとましい忌む嫌い毛嫌い大嫌い食わず嫌いいけ好かない虫が好かないいや気に食わない犬も食わぬ憎い憎らしい憎たらしい憎憎しい苦苦しい腹立たしいいまいましい苦虫を噛み潰したよう苦り切る眉をひそめる鼻持ちならないうとむうとんずる嫌気忌避忌み嫌う煙たがる呪わしいきしょい気色が悪い気味が悪い気味悪い底気味悪い薄気味悪い鳥肌が立つ気持ち悪い虫唾むしずが走る反吐へどが出るきもいグロいおどろおどろしい不気味鼻に付くうっとうしいむかつくむしゃくしゃくしゃくしゃ薄ら寒いうそ寒い胸が悪い心外苛立たしいうらめしいしかめっ面渋面しぶつらしかめるひそめるひそみ顰蹙ひんしゅく苦る辟易うるさい嫌がる嫌気が差すいと蛇蝎視だかつし唾棄倦厭けんえん身の毛がよだつ総毛立つ背筋が寒くなる背筋が凍るぞっと肌にあわを生じる冷汗三斗

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精選版 日本国語大辞典 「迷惑」の意味・読み・例文・類語

めい‐わく【迷惑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 )( ━する ) どうしてよいかわからないで途方にくれること。困窮すること。とまどうこと。また、そのさま。〔法華義疏(7C前)〕
    1. [初出の実例]「舞陽〈略〉、皇居に馴れざるが故に迷惑す」(出典:平家物語(13C前)五)
    2. [その他の文献]〔管子‐明法解〕
  3. ( 形動 ) ( ━する ) ある行為によって、負担を感じ、不快になること。また、そのさま。
    1. (イ) 自分自身に及んだ結果そうなる場合。いやだ、断わりたい気持だ、などの気持を込めて用いる。
      1. [初出の実例]「さぞ花松殿は、ご迷惑に思しめさうずる」(出典:謡曲・丹後物狂‐間狂言(1685))
      2. 「人をあやめれば人にも難義させ面々も迷惑するであるまいか」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
    2. (ロ) 相手に及んだ結果そうなる場合。気の毒である、申し訳ない、などの気持を込めて用いる。
      1. [初出の実例]「此中は久しう御見廻も申さひで、めいわく致て御ざる」(出典:虎明本狂言・伯母が酒(室町末‐近世初))
  4. ある行為の結果生ずる、不利益、負担など。
    1. (イ) 自分の行為の結果が自分に及ぶ場合。
      1. [初出の実例]「其者つよく御僉義の上、銀の有所まで白状申、(メイワク)におよぶ時、亭主御訴詔(そしゃう)申あげしは」(出典浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五)
    2. (ロ) 自分の行為の結果が相手に及ぶ場合。
      1. [初出の実例]「所労の人に迷惑(メイワク)をかける」(出典:満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉一〇)

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普及版 字通 「迷惑」の読み・字形・画数・意味

【迷惑】めいわく

惑わす。〔荘子盗跖〕今、子(し)、・武(周の文王武王)のを脩め、天下の辯を掌り、以て後世へ、衣淺帶、矯言(けうげん)僞行、以て天下の惑せしめ、而して富貴を求めんと欲す。

字通「迷」の項目を見る

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