第5世代コンピューター

ASCII.jpデジタル用語辞典 「第5世代コンピューター」の解説

第5世代コンピューター

ICOT(新世代コンピュータ技術開発機構)が開発を目指した、連想機能や推論機能などを持つコンピューターのこと。第1~4世代のノイマン型コンピューターと異なり、非ノイマン型のアーキテクチャーで、計算を並列処理できる。 第1~4世代コンピューターは、中枢となる素子の技術によって分類されている。第1世代が真空管、第2世代がトランジスター磁気コアメモリー、第3世代がICLSI、第4世代が超LSIを中枢にしている。ICOTは、通商産業省(現経済産業省)の第5世代コンピューター開発計画のために設立され、1982年から10年計画で開発された。成果として、Prologを拡張した言語やそれを並列処理するコンピューターのPIM(Parallel Inference Machine)が開発された。ハードウェアとしては、生物の神経節をモデルにしたニューロン回路や、バイオチップ(生体分子素子)も研究されたが、いずれも実用化には至っていない。{| class="wikitable"|+ コンピューターの世代とおもな言語! 世代 !! 年代 !! 特徴 !! おもな特徴|-! 第1世代コンピューター| 1940年代後半~1960年頃 || 真空管 || 機械語|-! 第2世代コンピューター| 1960年頃~1960年代後半 || トランジスター || アセンブラー言語|-! 第3世代コンピューター| 1960年代後半~1970年頃 || IC(集積回路)、LSIで構成されている || 高級言語|-! 第4世代コンピューター| 1970年頃~ || 超LSI || 4GL|-! 第5世代コンピューター| 将来 || 推論機能や知識ベースを持つコンピューター || -|}

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百科事典マイペディア 「第5世代コンピューター」の意味・わかりやすい解説

第5世代コンピューター【だいごせだいコンピューター】

知識ベースをもとに推論を行う,人工知能型のコンピューター。演算処理などを行う従来のコンピューターとは異なる非ノイマン型(並列推論型)であることが最大の特徴。1982年から,これを開発しようと,新世代コンピューター技術開発機構(ICOT(アイコット))を中心に10年がかりで国家プロジェクトが進められたが,大きな成果は得られなかった。ちなみに第1世代は真空管,第2世代はトランジスター,第3世代はIC,第4世代は超LSIでつくられたコンピューターを指す。

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世界大百科事典(旧版)内の第5世代コンピューターの言及

【コンピューター】より

… 1980年代から並列コンピューターの開発が盛んになり,今日では1万台を超えるCPUをもった超並列コンピューターが市販されるに至った。 なお,第五世代コンピューターという言葉は,日本で1980年代初頭に始まった新世代コンピューター計画のキャッチフレーズである。素子技術による世代分類ではなく,知能を実現するコンピューターというのが命名の基準になっているが,今日ではこの計画に固有な呼称となっている。…

※「第5世代コンピューター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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