内科学 第10版 「筋疾患の特徴」の解説
筋疾患の特徴((末梢)神経、筋疾患の特徴)
近位筋優位の筋力低下を呈して,感覚障害がみられないのが特徴である.下肢近位筋の脱力のため,登攀性起立(Gowers徴候)が認められ,歩行時には中臀筋の筋力低下のために肩が左右に揺れる動揺性歩行を呈する.
筋強直性ジストロフィでは前腕の筋力低下が前面に出るために,握力低下や指先で重いものが持てないということがしばしば主訴になる.
腱反射は一般に低下するが,重症筋無力症では低下しない.眼瞼下垂,外眼筋麻痺,四肢の筋力低下があっても腱反射が明らかに低下していれば,進行性外眼筋麻痺などの他疾患を鑑別すべきである.[中野今治]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報