篠尾廃寺(読み)しのおはいじ

日本歴史地名大系 「篠尾廃寺」の解説

篠尾廃寺
しのおはいじ

[現在地名]福井市篠尾町

篠尾町南西端、足羽あすわ川の河岸段丘上にある古代寺院跡。昭和四六年(一九七一)塔跡周辺の一部の発掘調査が行われた。塔の一辺は一二・一メートル。白鳳期創建で奈良時代まで存続したことが判明し、瓦・須恵器などが多く出土した(「足羽郡足羽町篠尾廃寺調査概要」福井県教育委員会・一九七二年)

文化一三年(一八一六)の「越前国名蹟考」に「昔大塔の有しとて、九尺はかりの礎石に心柱の穴径り一尺九寸許、田の中に畔の如く残れり、其辺より古瓦の破損したるを掘出し、其外瓦器の類掘得る事有る由」と記され、福井城下松本まつもとの天王社がかつて篠尾にあったと伝えるから、その天王社の塔跡ではないかとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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