米場(読み)こめば

山川 日本史小辞典 改訂新版 「米場」の解説

米場
こめば

中世米市場室町時代に京都三条・七条に設けられたものが有名。鎌倉米町,奈良南市・中市,伊勢国山田八日市などにも成立していたと考えられる。京都三条・七条には上座・下座の米場座があり,管理・運営は米場沙汰人が行った。米場座に属する商人は地方米の取引を独占し,座外の商人が洛中の米小売商人と直接取引することは厳禁された。史料上では1546年(天文15)まで存在が確認できる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の米場の言及

【市】より

…これは石清水八幡宮に所属する神人である淀魚市問丸が,着岸強制権と専買権を有したもので,その卸売市場であった。室町中期,京都の三条と七条にできた米場は,四府駕輿丁座(しふのかよちようざ)に所属する米座が独占するところで,京中へ運び込まれるすべての米は,米場に着けることが強制され,米場はその米の専売権を有したのである。この米場は,江戸期大坂の堂島米市場の先駆をなすものである。…

【米市】より

…米穀の集散地や消費地に成立した米穀取引市場。室町時代には当時最大の米消費市場であった京都に,三条室町と七条に上下米場の成立を確認しうる。これらは京の諸口を通って入ってくる諸国廻米を独占的に取引した卸売市場で,上下両米場座商人がそこで独占的な営業を行い,洛中の米小売商人たちに卸売していた。…

【米座】より

…それは,駕輿丁座の米座は年額20貫文を禁裏に貢納する以外の負担を拒否するほどの強力な課役減免の態度を保持し,対立する米商人を吸収あるいは打倒していった結果,営業独占権を獲得したためであると考えられる。いっぽう1474年(文明6)ごろから米場の存在が確認され,三条室町と七条の上下2ヵ所に米場座が成立する。沙汰人が管理する米場座には,諸方から京に運搬された米穀が集積されて,小売商人や消費者に売られた。…

※「米場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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