糸回し(読み)いとまわし

改訂新版 世界大百科事典 「糸回し」の意味・わかりやすい解説

糸回し (いとまわし)

三味線の特殊な合奏法。特に京・大坂の地歌(じうた)の検校法師たちが行った娯楽的,遊戯的演奏法。各人が三味線の各絃をそれぞれ受け持ち,担当の絃だけを弾いて他の絃は他の人に回す方法で,各絃を1人または数人で受け持った。19世紀初頭から地歌手事(てごと)物が器楽的発達を遂げ,種々の合奏法が盛んになったとき,法師たちの娯楽として誕生し,明治の中ごろまでは盛んであったが,現在はほとんど行われない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 三谷 陽子

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